「スーツに見えますが作業着です」と書かれた広告。このコピーを見て思わずポチッと見てみました。^^
近年、清掃・設備・建設業界では人手不足が深刻化しており、同業界のマイナスイメージを一新できる「新しい作業着」が登場。その名も、「スーツに見える作業着」。
このアイディアで「仕事終わりにそのままデートに行けるような服装」を目指して誕生したとのこと。
この記事ではユニフォームの企画を手がけた経験のある筆者が、そのWWS/ワークウエアスーツについてご紹介をしたいと思います。
WWSワークウェアスーツとは
WWS/ワークウエアスーツは、業界の人手不足に対する課題を解決するため、プロジェクトはスタートしました。
清掃や設備、建設の現場での作業着は、一般的に堅苦しいイメージがあり、これを転換するためのアイディアが求められていました。その中で、「スーツに見える作業着」の着想が生まれ、開発に取り組むこととなりました。
生地探しでは高機能性と洗練された外観を兼ね備える素材が必要でしたが、市場にはなかなか適したものが見当たりませんでした。しかし、諦めずに「生地が無いならイチから作ってしまおう!」という信念で、新しい素材の開発に着手しました。
その結果、速乾性・撥水性・ストレッチ性・軽量性・シワになりにくい性質を備え、なおかつやわらかく滑らかな着心地を提供する高機能素材「ultimex/アルティメックス」が誕生。
これにより、作業着は単なる機能性だけでなく、洗練された外観も兼ね備えたものとなりました。
現在では、清掃・設備・建設業に留まらず、医療・福祉、不動産、農業、酒造など幅広い業界で、約2,000社近くの企業がこの「スーツに見える作業着」を導入しています。
WWSワークウェアスーツの特徴
洗濯機で洗えてすぐ乾く
通常のスーツは自宅の洗濯機で洗うには躊躇してしまいます。洗えると言われてもかなり気を使い、頻繁には洗わないかもしれません。
作業着は毎日洗うもの。スーツでも作業着と同じように扱えます。自宅の洗濯機で気軽に洗えて部屋干しでも約3時間で乾きます。
ただし、乾燥機の使用は控えた方が良いようです。部屋干しでも3時間程度で乾くのであれば乾燥機を使う必要はありませんね。
抜群のストレッチ性
立ち上がったりしゃがんだりの作業の多い現場でも動きをスムーズに、優れたストレッチ性があります。
ストレッチの効いたほとんどの素材にはポリウレタンが使われていますが、こちらの素材は ポリエステル 100%とのこと、ストレッチ性はありますがポリウレタンは入っていないようです。
そのことも含め耐久性に優れた素材になっているのではと思います。
私事ではありますが、ユニフォームの企画に携わっていた時がありました。ストレッチ性のあるポリエステル100%の布帛生地を目にすることがありました。耐久性を高めるためにポリエステル100%のストレッチ生地を使いたかったのですが当時は思うような風合いの生地が無く、最終的には5%ほどのポリウレタンの入った生地を使うことになったという経験があります。
「無ければ素材から作る」というこだわりを諦めずに製品化された点はすばらしいなと思います。
衣類に使用されるポリウレタンは、伸縮性があり、軽量で、速乾性に優れ、柔軟性があるため、スポーツウェアやストレッチ素材の衣類に多く使用されています。ただし、ポリウレタンは水に弱く、湿度や温度の変化にも弱いというデメリットがあります。また、ポリウレタン素材の衣服は経時劣化しやすい特性があります。
ポリウレタンが入っていないのにストレッチが効いた素材?
ポリエステル100%なのにストレッチ?ニットなどの編地であれば伸縮性は出ますが、引っ掛けには弱くなるデメリットがあります。
こちらで採用されている素材は引っかきに強く摩擦にも強い織生地です。
ポリウレタン繊維の代替品として期待されているPTT繊維というのがあります。PTT繊維はポリエステルの一種であり、優れた伸縮性が特徴の繊維です。こちらの商品にもPTT繊維が使われているのかな?
PTT繊維とは(参考:センイバナシさん)
驚きの軽さ
一般的なジャケットの約半分の軽さ。長時間着ても肩こりしにくい。かさばらず出張や旅行の際にも負担が減りたすかりますね。
水や汚れに強い
水道会社のユニフォームの発想から撥水機能付き。外出先での小雨も、飲み物をこぼしてもはじきます。汚れも付きにくい。
擦れや引っかきに強い
作業時に膝をついたり工具で引っ掛けることが多くても擦れやひっかきでほつれにくい丈夫な生地。
風を通しにくく蒸れにくい
風を通しにくく透湿性があるので汗をかいても蒸れにくい。1年中快適に過ごせます。季節ごとに変えなくても良いのは魅力ですね。
人気の定番 Bizテーラードジャケット
WWSでは改良を重ねて新しい商品が増えています。
迷ったら、まず試してみたいのはこちらの定番「Bizテーラードジャケット」でしょうか。(別売りのパンツアイテムと組み合わせることができます)
(WWS/ワークウエアスーツ公式オンラインストアより出典)
ビジネスシーンにもマッチする立体的なデザインです。
オリジナル素材「ultimex」を使用し、ストレッチ性が良く、毎日洗えてすぐ乾く。見た目がスーツなのに着心地が良い。
カラー展開も5色あり多くの方に取り入れやすいのではないでしょうか。汎用性が高く1枚持っていると色んなシーンで使えると人気です。
袖口、裾にステッチが入っているのでその点はカジュアル寄りのビジネスジャケットというイメージですが、カジュアルには見えないのでスーツ風に見せたい日常のお仕事着としては最適なのではないでしょうか。
ちなみに、レディースもあります。
(WWS/ワークウエアスーツ公式オンラインストアより出典)
まとめ
私自身も以前、ユニフォームの企画を手がけた経験があり、こちらの「スーツに見える作業着」のアイディアには驚かされました。
従来の作業着が抱えるイメージの課題に真正面から取り組み、新たな視点からの発想が生まれ、それが現実の商品として形になるまでのプロセスは非常に興味深いものです。
現場作業者にとって、仕事が終わった後もそのままデートや他の活動に参加できるようなユニフォームはまさに革新的です。
このアイディアの発端が、「仕事終わりにも快適な着こなしで外に出かけたい」というユーザーの体験の向上に焦点を当てた点が素晴らしいなと思います。
また、素材開発においては、従来の市場に存在しない高機能素材「ultimex/アルティメックス」の開発に挑戦する姿勢も同じく素晴らしいと思います。
この素材の速乾性、撥水性、ストレッチ性などの特長は、現場での作業効率向上と同時に、着用者にとっても快適な着心地となります。
最終的には、清掃・設備・建設業界に留まらず、幅広い業界で導入が進んでいるとのこと。これはまさに、企業のニーズに対応し、従来のユニフォームにはない価値を提供している証拠ですね。