アパレル製品を作るには、デザインされたイメージをもとに、裁断や縫製などに必要となるのが、アパレル用工業用パターンです。
工業用パターンは、アパレル製品の生産において重要な役割があります。製品の形状やサイズ、縫い代などを正確に計算し、製品を作るための型紙を作成することで、効率的な製造工程や高品質な製品ができます。
以下では、アパレルの工業用パターンとはどういうものか、また工業用パターンの重要性と利点について簡単に説明します。
アパレル工業用パターンとは
アパレル用工業用パターンとは、アパレル製品の生産時、特に生地などの裁断に必要なパーツに分けられた縫い代付き型紙のことです。
アパレル製品を作るには、デザインされたイメージをもとに、裁断や縫製などの工程を行います。この際に必要となるのが、工業用パターンです。
アパレル用工業用パターンは、デザインされたイメージをもとに、各部位の形状やサイズ、縫い代などを正確に計算し、それを元に製品を作るための型紙を作成することで、裁断作業の効率化や、製品の品質向上につながります。
また、工業用パターンは、製品のラインナップが多岐にわたる場合でも、各製品の特徴を正確に再現することができるため、アパレル製品の多品種少量生産にも適しています。
工業用パターンは、上の図のように必要な全てのパーツ(左右同じ型の場合は片方のパーツのみ)に必要な縫い代が付いています。直ぐに生地を裁断し、縫製に取り掛かれる状態のパターンです。
型紙通りに裁断するので、大量生産の場合でもこの状態なら全ての製品が同じサイズ、同じ品質でできあがりますね。
工業用パターンの重要性と利点
製造効率の向上
工業用パターンを使用することで、裁断や縫製の作業効率が良くなります。
パターンには縫い代が含まれているので、縫い代の計算や調整の手間を省くことができます。また、正確なパターンを使用することで、作業のムダや間違いを最小限に抑えることができます。
サンプルの段階からこのパターンを使うことで本生産(量産)の製品に問題ないかミリ単位で確認し調整をします。
縫製の工程を考えながら縫い代巾や形状を変えたり、生地の特性による寸法確認と調整もします。
品質の向上
工業用パターンは、製品の形状やサイズを正確に再現し、製品の品質を向上させます。
各部位の形状や寸法が一貫しており、縫い代が均一になるため、製品の仕上がりが美しくなります。
また、パターンを適切に調整することで、フィット感や動きやすさなどの機能面も向上させることができます。
再利用性と一貫性
工業用パターンは、再利用性と一貫性の面でも利点があります。
パターンはデータとして保存され、必要に応じて再利用することができます。
同じデザインや形状の製品を複数回製造する場合には、同じパターンを使用することで一貫性を保つことができます。
例えば、去年のこの型をベースにしてデザインを少し変更して作るって時に助かります。
サンプル品~製品まで生産の効率化
新しい製品の開発や試作品の作成においても、工業用パターンは大きな利点があります。
正確なパターンが作成できることで、最初の試作品の段階から製品の形状やサイズを確認し製品の改良や修正を早期に行うことができます。
製品の機能や操作性を試作品で確認できるので、最終的に品質の良い商品として効率的に出来上がっていきます。
試作品を細かい箇所までチェックし、工場さんに注意点などを伝えます。
コストを抑えるメリット
工業用パターンを使用することで製品の生産コストを削減することができ、正確なパターンを使用することで材料のムダを最小限に抑えることができます。
また、効率的な裁断や縫製作業により、労力と時間の節約が可能になります。
できるだけコストがかからないように要尺のことや縫製工程も簡単になるよう考えます。
洋裁初心者にも使いやすい
工業用パターンは、趣味での洋裁にとっても利点があります。縫い代が含まれているため、縫い代の計算や調整に時間をかける必要がありません。初心者でも縫い代付きのパターンを使用することで、より簡単に作品を仕上げることができます。
以上が、工業用パターンの重要性と利点についての紹介でした。アパレル製品の生産においては、工業用パターンは欠かせないものです。